2019年の台風第1号は..

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2019年令和元年に発生した台風は29個で2018年の台風の発生数と同じ数でした。
そのうち日本列島に接近した台風は15個、そして日本列島に上陸したのが5個
でした。

(気象庁HPを参照)


 2018年/2019年の台風の発生数
 2018年/2019年の台風の接近数

 2018年/2019年に上陸した台風


令和になって迎える初めの季節が夏というので色々な意味で話題になりました。
でも、2019年の台風の数の傾向は前年2018年とほぼ同じ数だったことになります。

では2019年平成31年の時に発生した台風第1号はいつだったのでしょうか。
2019年の台風第1号は前の年2018年12月31日に南シナ海で発生した熱帯低気圧が2019年1月1日に台風になりました。

  2019年の台風第1号

でも、台風シーズンの始まりとなる6月までに発生した台風は2個。そのうち2月に発生した台風2号はこの時期には珍しい「猛烈な勢力」の台風になりました
2019年の大荒れを暗示するかのような観測史に残る 台風であったようです。

台風第1号、2号は海水温が低いため、まだまだ日本列島には接近することはありません。
2019年の大荒れを暗示するようで、台風が発生する毎年の平均が約25個、うち接近の数は約11個そして上陸が平年2~3個であることを考えると2019年は2018年と同様に全体的に台風の発生が多かったのが分かります。

2019年の台風第1号の話題は台風としての話題というよりは、台風の観測区域で発生したものが、進路を外れ越境サイクロンになったということでした。



2019年の日本付近の夏の気候の傾向と台風

2019年の始まりは2018年秋に発生したエルニーニョが継続し太平洋赤道地域で南米に近いペルー沖の海面水温が平年より高くなっている状態が5月くらいまで続いたということになります。
日本の気候の傾向を大きく左右するエルニーニョが発生すると台風の発生は少なくなる傾向はありますが冷夏で異常気象をもたらすエルニーニョであるだけに注視されていました。

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2019年の台風が、日本列島に近づくかそうでないかを大きく左右するもう一つに夏の気候が大きく影響します。
その代表となるのが太平洋高気圧の張り出しと海水温の関係で2019年の日本の夏の気候の傾向は、月ごとに変化の激しい不安定な夏であったといえます。


猛暑だった翌年は大体不安定な天候に見舞われることはよくあります。
2019年の印象としましてはカレンダーが2か月くらいずれているような冷夏暖秋という言葉があるなら、当てはまるような夏の気候の傾向にあったようにも思えます。

上陸しなかった台風3号


そして、2019年台風が日本列島に最初に接近したのが台風3号で沖縄の東の海上を進み高知県の室戸岬へ接近しようとした直前に台風となりました。
結局本土上陸は逃れましたがそのまま東へそれながら抜けていきました。

本土上陸の直接的な影響はなかったのですが、台風3号の影響は梅雨前線を刺激して雨風が強くなる所が広範囲に及びました。


2018年でもご紹介したこの台風は、その中心が国内のいずれかの気象官署から300 km以内に入った場合が「日本に接近した台風」となります。
また、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合を「日本に上陸した台風」としています。


①2019年の夏の気候もカギはやはり太平洋高気圧

2019年沖縄、奄美は平年並みに梅雨入りしたにもかかわらず梅雨明けが7月にずれ込みました。

6月の気候の傾向のカギはやはり太平洋高気圧でしたが、2019年は張り出しが弱く日本列島は春の移動性高気圧が優勢で春と夏のせめぎ合いにできる梅雨前線は日本の南岸上に停滞する日が多くなりました。
そのため沖縄地方では前線の影響でぐずつき、梅雨明け特異日の6月下旬もその傾向がありました。

この時点で天候不順の原因となるエルニーニョは終息していたといわれ2019年の直接的な原因にはならないことが分かっています。

因みにエルニーニョになると.. 


②2019年の夏は台風と共にやってきた..!?

7月は依然として太平洋高気圧の勢力が弱く、代わりに北のオホーツク海高気圧の影響と停滞する梅雨前線の影響で平年を下回る冷夏となり梅雨明けも程遠い印象がありました。
この状況を変えたのが上陸こそしなかった台風5号の存在でした。

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この台風5号の通過によって停滞する九州付近の梅雨前線が押し上げられ、太平洋高気圧を刺激したのか梅雨明けしていなかった九州南部から関東甲信にかけての気圧配置に動きが見られました。
そして、2019年7月下旬以降にほぼ一斉に梅雨明けしたとみられると発表があったわけです。

これを境に冷夏だった日本の夏が一転しようやく8月に入って一時的に暑い夏の訪れがありました。
なんだか煮え切らない夏の訪れに痺れを切らした台風が夏を連れてきたようにも 思える7月でした。




③2019年同時に夏の台風シーズンの到来

一方で台風シーズンとばかりに梅雨明け以降、日本日本列島に接近する台風の回数が多くなり文字通り台風シーズンの到来になってしまったのです。

台風の発生状況ももともと活発で太平洋高気圧の張り出しが東の海上から緩やかに覆う傾向があったため日本に接近しやすくなっていたのが理由です。

日本列島に上陸した台風は7月が1個、8月が2個と2018年と同じでしたが天気図の様相は全く別物になりました。
2019年の夏は太平洋高気圧のブロックが2018年に比べ小さかったために、影響が小さかった関東東海地方にも台風が接近し易い状況であったということです。

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