ゲリラ豪雨は一年中発生しますか..
積乱雲ができるところでも書きましたが、ゲリラ豪雨が発生する原因となる積乱雲ができる気象条件というのは大気中の冷たい空気と暖かい空気都にぶつかり合いによってできるものです。
日本特有の夏型気圧配置には積乱雲ができる要素が多く詰まっていますが、春と秋の移動性高気圧や大陸から張り出す冬型の気圧配置からは中々積乱雲ができるような条件は整いません。
ですから、ゲリラ的な猛烈な雨は南からの湿った夏特有の気候がもたらす気象現象であるといわれています。主にゲリラ豪雨は梅雨明け真近の7月から太平洋高気圧が弱まる9月頃を中心に起きることが殆どです。
最近のゲリラ豪雨の発生した季節と月
ゲリラ豪雨(雷雨)が近年では最も多かった2016年(7498回)では地方別で最も多かった関東甲信で、夏場の7月に実に300近く発生、8月1か月では7月の5倍近くも発生し、発生は9月下旬までありました。
殆どの県が前年の発生件数を上回り、特に千葉県は2015年の3.6倍の発生の503回で最も多くなったのです。
―そのほかの年と7~9月の天気の傾向
〇 2017 年(3479 回):日本の南に位置する太平洋高気圧の勢力は全体的に弱く、8月はオホーツク海高気圧が強くなり日照不足が問題になるほどでした。
冷夏長雨傾向であったためゲリラ豪雨は7月に多かった以外は少なくなりました
2017年8月の典型的な夏型 -weathernews-
〇 2018 年(3501 回):2017年の反動ともいえる記録的猛暑でしたが、ゲリラ豪雨は8月に集中しました。大気が比較的安定していた酷暑の7月と、秋雨前線による9月は少なくなり、暑さの中で時々寒気の影響を受けた8月に多くなった形です。
―関連記事:2018年7月の台風 / 2018年8月の台風
2018年7月と8月典型的な夏
〇 2019 年(1688 回):ゲリラ豪雨は2018年の少なかった回数をさらに下回りました。
これも2018年の反動なのか太平洋高気圧の張り出しが日本の東の海上からになり、7月は梅雨前線+オホーツク海高気圧、8月は台風、9月は秋雨前線の影響がゲリラ豪雨の発生源になる積乱雲が発達する回数を少なくしたといえます。
2019年7月と9月典型的な気圧配置
ゲリラ豪雨もこれからは量(回数)より質が懸念されます
過去3年の発生傾向と天気の傾向から分かるのが日差しとぐずついた気象状況が両極端であったため、ゲリラ豪雨の発生は過去の数から見たら少なく済んだのかも知れません。
猛暑の時は強い高気圧の影響で寒気の流れ込みがないため大気が安定し、逆に前線による長雨による影響もそもそも強い日差しを抑える形になったのがここ数年の特徴でした。
ここ数年は猛暑だったり長雨だったりどちらかと言えば異常気象傾向であるのが分かりますね。
ゲリラ豪雨の平均の発生回数が少ないとはいえ落雷や竜巻などの発生は増える傾向にあります。
豪雨といわれる短時間に降る雨の量なども近年、回数ではなくゲリラ豪雨は起きれば年々強大化しているという懸念もあります。回数が少なかったからと言っても起きれば、脅威となるだけに今後更に一回のゲリラ豪雨の質のほうにも目を向けていかなければなりませんね。
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