ゲリラ豪雨を起こす積乱雲の実態は..

投稿者:


積乱雲はいつできるのでしょうか 

気象庁では、積乱雲ができるというのは強い上昇気流によって鉛直方向に著しく発達した雲で上空に冷たい空気があり、地上には温められた空気の層がある状態であると定義しています。
ですから、大気中の急激な温度変化によって大気の状態を不安定にしてできる雲が積乱雲なのです。

 ➡  ➡  ➡ 

大気中の急激な温度変化は地上の気温が高くなる夏場におこります。寒気の流れ込みは一年中ありますが積乱雲の発生は条件が整う気象の条件が揃えばいつでもありえます。

ただ、積乱雲ができる程に大気の状態を不安定にする湿度を伴う暑さというのは夏場に多くなるため、梅雨明けくらいから秋にかけて集中しています。




積乱雲の実態は..

積乱雲はゲリラ豪雨を降らせる雲というのは分かりましたが、どんな雲なのでしょうか。

・積乱雲は鉛直方向へモクモクと10キロメートルもの高さになる

・大気中の冷たい空気は下へ、下からの暖かい空気は上へ..この対流活動が大きければ大きいほど積乱雲は発達します

・積乱雲の中は気圧が下がり地上から押し上げられた水蒸気が氷晶となって上昇していきます。そして上昇が止まった辺りが積乱雲の頂点で金床と呼ばれる平らに広がった状態を作り上げます

・積乱雲のなかの激しい対流活動と水蒸気から発生する水滴や氷晶などが互いに
摩擦を起こし多くの静電気が発生しやがて雷となるのです。

雷は積乱雲に溜まった電気が多くなった時に外へ放出するために音を出します。
そして積乱雲の中でおこる常に対流活動や摩擦によって生じる電圧の均衡を図るために冷たい下降気流に沿って地面に放出(落雷)するようになります。

ゲリラ豪雨を引き起こすあの分厚い黒々した積乱雲の中では、凄まじい程の気象活動が起きているというわけですね。


ゲリラ豪雨が夏に多く発生するのは夏の日本特有の気象条件があります

積乱雲は日本列島に大陸からの寒気の流れ込み易いところと、湿度の高い太平洋高気圧による暑さであるといった日本特有の気象条件にあります。
太平洋高気圧の縁に沿って南から湿った空気が流れ込み易い気圧配置になるとその土地では北からの寒気の流れ込みがあれば積乱雲に発達する条件が揃います。             

ゲリラ豪雨(雷雨)の発生が例年の平均を大きく上回る回数で発生した2016年の特徴はここ数年の傾向にもあったのですが、夏の太平洋高気圧が日本列島の東側から張り出していたことでした。

2016年8月3日の天気図-tenki.jp-
そのため太平洋高気圧の縁に沿って南から湿った空気が日本列島に流れ込み易くなり、もともと太平洋高気圧の張り出しが弱かったため北からの寒気の影響も受け易い状況が続いたのが理由です。

一方で強い太平洋高気圧が南からすっぽり覆うような状況では大陸からの寒気も流れ込みにくく、大気が安定していれば積乱雲にはなりませんからゲリラ豪雨は起こりにくいということになります。
2016年は8月を中心に弱い太平洋高気圧に加え寒気と台風の影響で午前中からゲリラ豪雨(雷雨)に悩まされることが多くなりました。

日本の気象にオヤクダチの記事一覧 ♣♣
**関連記事**
ゲリラ豪雨が起きる季節は
ゲリラ豪雨で増加しているのは
ゲリラ豪雨のおこる時間は..
梅雨明け予想2020 九州地方はいつ
2019年7月の台風